特別編・肥前鹿島の屈辱II
このままだと、『足切り』にあって、リタイヤせざるを得なくなってしまう!!
この大会は、約5kmごとに設置されたチェックポイントに、設定された時間内に通過しなければ、その場で失格になってしまうのだ。
しかも、そのハードルは平均10.0km/hで走れば何とか間に合うレベルで、落ち着いて普段のペースで走れば問題は無い筈なのだが、他の参加者たちは平方さんが走るスピードより遥かに速く走っている。
焦った平方さんは、思わず走るスピードを上げる。
しかし、平方さんが思った以上に自身に力が出ない。
段々とスピードが落ち、壮年クラスの爺様達にも追い抜かれる始末。
GPSのディスプレイを確認する。ここまでの平均時速は8.6km/hを指している。
しかし、このペースではいずれどこかのチェックポイントで失格の烙印を押されることとなるだろう。
早くも息が上がり始める。
おかしい。いつもの平方さんならば、これ位の距離で息は上がらない。上がるはずが無い。
しかし、現実は蛭子能収の漫画に出てくるような汗まみれの男が息をゼェゼェさせながら九州の田舎を走っているのだ。

やがて、ナンバープレートから察するに、陸上自衛隊のものと思われる四輪駆動車に後方から煽られる。
少しイラッとしたが、ペースメーカー代わりと思い、四輪駆動車と同じスピードで走ることにする。しかし、四輪駆動車はスピードを上げたり下げたりの繰り返し。挙句の果てに車線を越えて平方さんを追い越す。
今度は、交通規制中であるのにかかわらず、路線バスにも煽られてしまう。流石に頭に来て、今すぐにでも走るのを中断し、運転手を引きずり降ろしてボコボコにしてやりたい気分だったが、僅かに残った理性と、それどころではないと言う思いとでギリギリ思いとどまり、ひたすら走り続ける。
結局、足切りでリタイアする羽目に。
チェックポイントで係員に止められた瞬間、思わず
『XXXX!!』(自粛)
と叫んでしまった。
数秒もの間、数多の『XXXX!!』(自粛)が、近くの山々をこだましている。
ふと気がつくと、地元のCATVと思われるベータカムが、おそらく放送してはいけないであろう言葉をシャウトしている平方さんの野面をしっかりと押さえている。
この画が、地元のコミュニティチャンネルで使われないことを祈るばかりだ。
・自分のペースを身体に叩き込む
・それが出来ないのであれば、経過時間と移動距離をモニタリングする
祐徳稲荷神社をサッと観て、速攻で帰ろうとしたものの、次の特急かもめは40分後。ふぅ。